7月15日(水)新基地建設反対の立役者、大城敬人市議の勤続40年を祝う / 酷暑のもとでも5カ所、120人が抗議行動

「歩く新基地問題」あるいは「コンピュータつきブルドーザー」とも呼ばれる。この人あってこその新基地反対運動だ。1996年、日米合意(SACO合意)で辺野古新基地問題が俎上に上がるやいなや、祖先の墓の上に米軍機は飛ばせないと、いち早く反対の声を上げた。官邸に赴き「命を賭けて阻止する。沖縄県民は必ずや立ち上がるだろう」と決意表明を叩きつけた。

1978年に名護市議に当選し、今年で11期、42年を迎える。先日、全国市議会議長会から勤続40年を表彰された。全国でも数少ない80歳にもなろうとする大ベテラン議員だ。

「辺野古の海は“魚が沸く”と言われるほど豊かな海で、食べ物がない戦後は貴重な蛋白源だった。その海を潰すことに怒り、おじい、おばあたちが立ち上がったんだよ。命どぅ宝の看板を出してね」。

1998年、ボーリング調査が始まろうとしたとき、毎日ニュースを作成し配布、海に抗議に出る仲間たちを励ました。近くの漁民たちも船で駆け付け、反対運動は一気に盛り上がった。560日間の闘いの末にやぐら4基を撤去させた。

議会の一般質問も42年間欠かさない。絶対安静と言われた病院からも抜けだして議場に立ったこともある。質問に立たない議員たちを刺激し、名護市議会は質問数は今では全国一を誇る議会へと変貌させた。

「市民の小間使い」を自称する。生活相談で市内を駆け巡り、相談件数は1万件を超えた。高校時代の同級生だった山城利正さんは言う。「議員辞めたら3日後ぐらいにヨシタミは死ぬね。そのくらい心身ともに市民のために尽くしている。そんなヨシタミ、僕は大好きだよ」

 

(キャンプシュワブゲート前)

コロナ感染拡大に加え燃えるような暑さの下、抗議現場には過酷な日々が続く。隣接するキャンプ・ハンセンでさらに36人の感染者が出たと発表された。

重苦しい空気の中でも喜ばしいことは大いに発散しようと先日、勤続40年で表彰された名護市議の大城敬人(おおしろよしたみ)さんを讃える会が行われた。一貫して辺野古新地反対を訴え、名護市議会をリードしてきた大ベテランだ。約80人が集まった。辺野古新基地問題の経緯を語る当人からのスピーチに耳を傾け、カチャーシを踊り、なごやかに顕彰を祝った。

生コン車など大型車両230台が資材を搬入した。久しぶりにオスプレイ2機が姿を現し、基地上空を何度も旋回していた。まるで嫌がらせをするかのように。

 

(琉球セメント安和桟橋前)

年配者ばかりの抗議現場に真夏の直射日光は過酷だ。それでも大勢いれば元気が出てくる。この日も30人近くが桟橋の出入口にわかれ、土砂を搬入するダンプに向かい「土砂で大浦湾を壊すな」「子どもたちに美ら海を残そう」などと声を上げた。海でもゴムボート1艇、カヌー6艇で出航しようとする運搬船にまつわりついて、2隻の離岸を50分ずつ遅らせた。554台分の土砂が運搬船3隻に積み込まれた。

 

(本部町塩川港)

積み込む台船がないため、作業は10時ごろからとなった。2隻同時積み込みとなったものの船舶数に限りがあるため、搬出のピッチは決して速まっていない。運び込んだ土砂の量は昨日はダンプ538台、この日は554台と、むしろ減っている。5人で終日抗議を続けた。

 

きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合

これらの数値はあくまでもダンプの台数から推計した参考値です。

2018年12月から2019年12月末までのダンプの数は114,601台(全体との割合は1.39%)

11日(土) 13日(月) 14日(火) 15日(水) 16日(木) 17日(金)
安和 718 769 538 554
塩川 0 526 238 272

 

現在までのダンプの総数 土砂量 ※① 体積に換算 ※② 全体との割合 ※③
205,714台 1,028,570t 514,285 2.546%
※① ダンプ1台あたりの積載量を平均5トンとして計算
※② 土砂の比重を2と仮定し計算
※③ 計画されている全体の埋め立て土砂量(20,200,000㎥)に対する割合

 

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