土砂搬出のテンポを速めようと沖縄防衛局が躍起になっているのが伝わってくる。市民の抗議行動で新基地建設工事が大幅に遅れていることの証左だ。
土砂を搬出する安和桟橋と塩川港で2つの問題が浮上した。ひとつは安和「旧桟橋」の撤去問題。老巧化が指摘され、沖縄県から3月末までに撤去するよう求められている。桟橋の所有者である琉球セメントは旧桟橋の使用延長を申請しているが、港湾の管理責任を担う沖縄県は延長を認めない方針とみられる。旧桟橋が撤去されれば、土砂の積み込みと琉球セメントの本来の業務を一つの桟橋で行わざるえなくなり、おのずと土砂運搬の頻度は大幅に低下する。
安和桟橋からの土砂搬出の効率低下を見通して、沖縄防衛局は塩川港での「ベルトコンベアー」使用を沖縄県に申請した。台船にダンプ1台1台が土砂を下ろすより、ベルトコンベアー使用で一気に能率を上げたいもくろみだ。しかしベルトコンベアーの設置もまた、沖縄県の許可が必要。
安和桟橋と塩川港の土砂搬出の割合は現在約3対1。沖縄防衛局は土砂搬出の重点を安和桟橋から塩川港に移したい意向のようだが、2つの問題が立ちはだかる。市民団体は近く沖縄県に認めないよう要請する。沖縄県は何としても認めない方向で頑張ってもらいたい。
(キャンプシュワブゲート前)
朝9時、降りしきる雨の中、座り込んだのはわずか9人。それでもいつもと同じように歌を歌い、シュプレヒコールをあげて基地に向かい抗議の意志を示した。生コン車の搬入はなかった。砕石を積んだダンプが3回にわたり計112台搬入した。
(琉球セメント安和桟橋前)
雨が強く降りしきる中、約30人で抗議行動。ダンプが左右から入ってくるため危険極まりない。特に右から来るダンプは人を巻き込むように左折するため、すぐさまやめさせるよう機動隊に抗議するが、まったく対応する気配なし。左折しようとするダンプの前に立ちはだかり、何度も抗議を続けた。
琉球セメントの本来の業務で桟橋が使えず土砂搬出はなし。搬入されたダンプ721台分の土砂は仮置き場に積み増しされた。海上チームは波が高いため、抗議を中止した。
(本部町塩川港)
波が高いため、午前中は作業は中止。、午後1時から作業が始まり、ダンプ214台分が台船2隻に積み込まれた。
きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合
※専門家のアドバイスをもとに推計したもの
2018年12月から2019年12月末までのダンプの数は114,601台(全体との割合は1.68%)
7日(土) | 9日(月) | 10日(火) | 11日(水) | 12日(木) | 13日(金) | |
安和 | 625 | 502 | 878 | 562 | 614 | 0 |
塩川 | 0 | 350 | 0 | 0 | 443 | 214 |
現在までのダンプの総数 | 土砂量 ※① | 体積に換算 ※② | 全体との割合 ※③ |
157,264台 | 943,584t | 471,792㎥ | 2.288% |