8月28日(金)安倍首相退陣 「沖縄にもっとも冷たかった首相」 / 台風で土砂搬出中断

安倍首相が辞意を表明した。在任期間7年8か月。体調不良による辞任だが、県内からは「歴代の首相の中で沖縄に最も冷たい首相だった」(稲嶺進・前名護市長)など、厳しい評価が相次いだ。

辺野古新基地は安倍政権がボーリング調査に着手し(2014年7月)、相次ぐ国政選挙などで「新基地反対」の民意が示されても、土砂投入(2018年12月)を強引に進めた。この間、国と沖縄県との法廷闘争は9回にも及んでいる。繰り返された安倍政権の「沖縄県民に寄り添う」というフレーズは一度も行動に移されぬまま、ただただ工事を押し進めた。さらに身内だけを優遇する汚職にまみれ、公文書の隠ぺい、改竄など民主主義の土台を堀り崩す「戦後最悪の首相」とも評された。

安部退陣はオール沖縄にとっては、大きな一歩だ。しかし次期首相も自民党で、新基地建設の方針は変わらない。今こそ野党が結束して追い込まれた政権をさらに追いつめ、新基地建設断念への道を切り開いていく時だ。大事な局面を迎えたことだけは間違いない。

 

(キャンプシュワブゲート前)

台風8号の影響で沖縄防衛局は2日間工事を休止したが、26日以降は毎日数十台が資材を搬入した。25日には初めてキャンプシュワブ内に新型コロナウィルスの感染者2人が出たことが明らかになった。それでも防衛局は工事継続の方針を明らかにした。沖縄平和運動センターの山城博治さんは「県内の感染拡大の一因は米軍にある。工事継続はあり得ない。感染が落ち着くまで全ての基地を閉鎖すべきだ」と語った。

 

(琉球セメント安和桟橋前)

27日から28日午前中にかけ、仮置き場の土砂が一斉に採石場に戻された。ダンプ数十台が連なり土砂をもとに戻すという異様な光景が続いた。その数、1300台分。赤土が海に流出するという苦情が沖縄防衛局に届いたと言われる。防衛局はこれまで沖縄県の赤土等流出防止条例を遵守し、仮置き場には十分な対策を施していると強弁してきたが、自ら万全でないことを証明したことになる。次々とダンプが土砂を運び出しているようすを眺めていた市民は、「民間企業ならありえない。税金で工事をしているから、防衛局はこんな浪費ができるだろうね」とあきれ顔だった。

 

(本部町塩川港)

台風8号で桟橋のコンクリートが剥がれた。波が陸地にまで押し寄せ、土砂運搬で傷んだコンクリートを剥がしたものと見られる。塩川港は2年前にも台風で岸壁が損壊し、搬出作業が数か月遅れたことがある。今回の損壊は船の着岸には支障ないことから、搬出作業は続けられるものとみられる。

 

きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合

これらの数値はあくまでもダンプの台数から推計した参考値です。

2018年12月から2019年12月末までのダンプの数は114,601台(全体との割合は1.39%)

  22日(土) 24日(月) 25日(火) 26日(水) 27日(木) 28日(金)
安和 271 0 0 0 0 0
塩川 0 0 0 0 0 0

 

現在までのダンプの総数 土砂量 ※① 体積に換算 ※② 全体との割合 ※③
236,834台 1,184,170t 592,085 2.931%
※① ダンプ1台あたりの積載量を平均5トンとして計算
※② 土砂の比重を2と仮定し計算
※③ 計画されている全体の埋め立て土砂量(20,200,000㎥)に対する割合

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