11月18日(水)防衛局 土砂陸揚げ方式の変更で工事進展の印象づけ狙う / 4カ所で80人が抗議 

沖縄防衛局が土砂陸揚げのスピードアップを図り、新たな方法を計画していることが明らかになった。17日、政府が組織する「環境監視等委員会」で報告された。

これまでの運搬船1隻ずつを護岸に付けて陸揚げする方法を改め、護岸先端に大型の台船(長さ60m、幅20m)を設置し、運搬船を台船に係留する方式にしようとするもの。これによりK9護岸では2隻同時の陸揚げ作業が可能となる。もうひとつのK8護岸はこれまでと変わらない1隻すつの接岸だが、より大きな船が係留できることになる。さらに大浦湾内に土砂蓄積のための大型船(長さ141m、幅36m)を常時係留することも検討し始めた。この陸揚げ方式の変更で大気汚染物質の排出量は増加するが、「環境監視等委員会」は問題なしとして検討を急いでいる。

現在までの土砂の投入量は全体のまだ3.5%弱。2年かかってこの数値だと工事完成の13年には遠く及ばない。しかも辺野古側の埋め立てを急いでも軟弱地盤が広がる大浦湾側は残り、全体の工事短縮にはならないそれでも「目に見える形」(菅義偉首相)で工事を進め、新基地建設が順調に進んでいると印象付けたい狙いが透けて見える。

 

(キャンプシュワブゲート前)

気温29度、汗ばむ日差しの下、約40人が座り込んで抗議の意志を示した。女性たちが次々とマイクを持って歌を歌い場を盛り上げた。ゲートが開けられ、生コン車などが入った後も「海に生コンはいらない」「防衛局は民意に背くな」などと唱和しながらデモ行進した。東京から初めて辺野古を訪れたという女性のSさんは「抗議現場を見たかった。政府がごり押しして進める基地建設に対し、お年寄りたちが体を張って抵抗する姿に涙が出そうになった。今の政治、本当におかしいと思う」と話していた。

213台が資材を搬入した。

 

(琉球セメント安和桟橋前)

南部島ぐるみのメンバーら約30人が出入口に分かれてダンプに向かい抗議を続けた。機動隊が出口に集中し規制を強めた。通行を求める市民と現場を仕切るH中隊長との激しいやり取りが、絶え間なく続いた。構内から出ようとするダンプがない時にも20分以上も規制を続け、「やり過ぎだ」「歩行者より工事車両を優先する交通規制はおかしい」などの声が飛び交った。機動隊員の少ない入口ではダンプが思うように入れず、40台近くが渋滞した。

海ではカヌーチームが13艇で運搬船に張り付いて抗議。海上保安官に拘束されるまで約1時間、出港を遅らせた。

運搬船への土砂積み込みは午後2時過ぎで終了。ダンプ415台分が2隻に積み込まれた。

 

(本部町塩川港)

空の船がないためか、積み込み作業はなし。

 

きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合

これらの数値はあくまでもダンプの台数から推計した参考値です。

2018年12月から2019年12月末までのダンプの数は114,601台(全体との割合は1.39%)

  14日(土) 16日(月) 17日(火) 18日(水) 19日(木) 20日(金)
安和 0 950 1150 415    
塩川 0 518 260 0    

 

現在までのダンプの総数 土砂量※① 体積に換算 ※② 全体との割合 ※③
280,208台 1,401,040t 700,520 3.468 %
※① ダンプ1台あたりの積載量を平均5トンとして計算
※② 土砂の比重を2と仮定し計算
※③ 計画されている全体の埋め立て土砂量(20,200,000㎥)に対する割合

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