1月6日(水)高さ制限 鉄塔の地中化に56億円 学校や民家は「適用外」 / 4カ所で70人余が抗議

米国の飛行場建設の統一設計基準に反するとして問題となっている辺野古周辺の建造物のうち、鉄塔の移設だけが予算化された。対象となるのは豊原区の鉄塔14本で、地中化するための経費として56億1800万円が計上された。

米国防総省の統一施設基準書によると、辺野古新基地滑走路周辺2286mの範囲にある建造物で、高さ45.72m以上のものは飛行の障害になるとして移設が求められている。辺野古新基地の滑走路は標高8.8mで設計されているため、高さ制限は標高54.52mになる。この基準を新基地に隣接する辺野古区と豊原区に当てはめると沖縄工業高等専門学校、久辺中学校、久辺小学校ほかマンション4棟、民家67軒など358軒が高さ制限を超えている。

鉄塔は地中化で、学校や民家はいいのか―――オール沖縄会議では沖縄防衛局に対しこの点を追及してきたが、米国防総省の判断は「基準には適用除外があり、高さ制限を超える物件があっても差し支えない」としている。住民の命よりも基地運用を優先させる、あからさまな米国の「二重基準」に批判が高まるのは必至だ。安全基準を外れる建物に住む豊原区の住民は1500人にも上る。

 

(キャンプシュワブゲート前)

沖縄平和市民連絡会のメンバーら約40人が朝8時半から座り込んだ。女性たちが歌を歌い、ダンスをし、現場を活気づけた。護岸工事が再開されたのか、生コン車が列をなしてやってきた。搬入車両242台のうち137台が生コン車だった。

抗議に参加した2人に感想を聞いてみた。

オール沖縄会議の共同代表のひとりである高里鈴代さん(81)。「コロナ禍で人々が苦しんでいる時に基地建設を進めることに強い憤りを覚える。この時期、まさに不要不急。人類に対する犯罪ですよ」と怒りが収まらないようす。ダンスが得意な佐藤明美さん(69)は、「きょう、コロナの影響で仕事がない日雇い労働者たちを支援する活動を知った。税金はこうした人たちを救うため使うべきで、基地建設は本当に税金の無駄遣い。何が何でも新基地建設を止めますよ」と話していた。

 

(琉球セメント安和桟橋前)

南部島ぐるみのメンバーら約30人が桟橋の出入口にわかれて、土砂を積んで出入りするダンプに向かい抗議を続けた。埠頭には年頭より石炭船が着岸しているため、この日も土砂搬出は行われなかった。採石場からの土砂搬入作業のみ夜8時近くまで続いたが、抗議行動のため構内はダンプで度々渋滞となった。昨日同様、土砂搬入したダンプは1000台近くにもなった。

 

(本部町塩川港)

昨年12月24日以来の土砂搬出。本部島ぐるみメンバー5人だけで冷たい風が吹きすさぶ中、車道をゆっくり横断するなどして午後4時半まで抗議を続けた。ダンプ400台分の土砂がランプウェイ台船3隻に積み込まれた。

駐車場に子犬が3匹動き回っていた。2年前に3匹産んだ母犬がまた産んだようだ。まただれかにもらわれていくことを願いたい。

 

きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合

これらの数値はあくまでもダンプの台数から推計した参考値です。

2018年12月から2020年12月末までのダンプの数は302,705台(全体との割合は3.746%)

1月2日(土) 4日(月) 5日(火) 6 日(水) 7 日(木) 8日(金)
安和 0 0 0 0
塩川 0 0 0 400

 

現在までのダンプの総数 土砂量※① 体積に換算 ※② 全体との割合 ※③
303,105 台 1,515,525 t 757,763 3.751 %
※① ダンプ1台あたりの積載量を平均5トンとして計算
※② 土砂の比重を2と仮定し計算
※③ 計画されている全体の埋め立て土砂量(20,200,000㎥)に対する割合月

 

 

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