3月17日(水)安和、塩川 ダンプの粉塵被害に悲鳴 / カヌーチームがんばる 運搬船出港を1時間半阻止

安和桟橋から塩川港へと続く国道449号線は、海外からの観光客に大人気の「美ら海水族館」に至る道でもある。夏ともなれば台湾、韓国、欧米人が乗る観光バスやレンタカーがひっきりなしに行き交う。海岸線沿いを辿る風光明媚な光景は沖縄の美しさを代表するルートだった、はずだ。

それが今では無残な姿を晒している。採石場から土砂を運ぶダンプが粉塵をまき散らし、周辺の樹木や家屋を白い粉が覆っている。舗道を歩くだけでも息苦しくなり、歩いている人は少ない。汚染はそれだけではない。土砂搬入を終え桟橋から出てくるダンプのタイヤを洗うため、赤土混じりの汚水が側溝を通り海に流れ出る。特に雨の日は酷く、桟橋近くの海は赤土色で染まる。それがもう2年以上にもなる。

周辺住民の被害が心配だ。「洗濯物が粉塵で汚れる」「農作物が埃まみれになり売り物にならない」などの声が聞こえてきた。さらに「咳や痰が出るようになった」と健康被害を訴える人もいる。

基地建設で壊されるのは、海や山だけではない。一日千台以上のダンプが集中的に走り回れば、その周辺の自然や住民の健康に被害を及ぼすのは明々白々ではないか。それが現在進行形であと12年も続けられるというのだ。

先ごろ、有志が沖縄県議会に「安和、塩川における住民被害の調査を求める陳情書」を提出した。この問題は名護市議会でも近く取り上げられるはずだ。被害の元凶は「米軍の新基地建設」。他国の基地造りで日本国民が苦しめられている。本末転倒も甚だしい。沖縄にいると国民よりも米軍を大事にしたい政府の本質がよくみえる。

 

(キャンプシュワブゲート前)

女性たちが中心となって行動する日。県外からの参加者8人も加わり40人余りで座り込んだ。女性たちが次から次への歌を歌っては踊り、ゲート前を活気づけた。午前午後3回の搬入で165台が基地内に入った。

11日ドローンで撮影した埋め立て地の映像によると、辺野古側の区域②は7月末までに海面より約3mの埋め立てが終了する計画だが、まだ3割近い埋め立てが残っている。区域②-1は高さ8mまでかさ上げする護岸造成工事が行われているが、こちらもまだ半分も終わっていないように見える。辺野古側の埋め立ては予定を狂わせ、またも大幅に遅れる見込みだ。

 

(琉球セメント安和桟橋)

南部島ぐるみのメンバーら約20人が出入口に分かれて抗議を続けた。土砂を積んだ採石場からのダンプが常時国道を連ねた。ダンプの搬入を少しでも遅らせようと市民らはゲート前をゆっくり歩くなどしてダンプが連なって入るのを阻止した。海上チーム“辺野古ぶるー”が1か月半ぶりに、カヌー8艇、ゴムボート2艇で抗議に出た。1隻目の運搬船の出港を1時間半以上遅らせた。GoGoドライブのメンバーも3台でダンプが思い通りにゲートから出られないよう国道を動き回った。

運搬船3隻に687台分の土砂が積まれ、大浦湾に向け出港した。

(本部町塩川港)

本部町島ぐるみのメンバー5人で終日抗議行動を展開。機動隊員が数人だけなので、少人数でも思いのままにダンプの前を横切るなどして運行を遅らせることができた。すっかり暖かくなり、朝顔が道路わき一面に咲いていた。暖かくなればダンプがまき散らす粉塵も酷くなる。

ダンプ706台分の土砂が台船5隻に積み込まれた。


きょう現在までに搬出されたダンプの数と土砂量、全体との割合

これらの数値はあくまでもダンプの台数から推計した参考値です。

2018年12月から2020年12月末までのダンプの数は302,705台(全体との割合は3.746%)

13日(土) 15日(月) 16日(火) 17日(水) 18 日(木) 19日(金)
安和 822(4) 278(1) 949(4) 687(3)
塩川 0 689(5) 710(5) 706(5)

 

現在までのダンプの総数 土砂量※① 体積に換算 ※② 全体との割合 ※③
358,973 台 1,794,865 t 897,433 4.443 %
※① ダンプ1台あたりの積載量を平均5トンとして計算
※② 土砂の比重を2と仮定し計算
※③ 計画されている全体の埋め立て土砂量(20,200,000㎥)に対する割合月

 

 

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